「2023夏期しまね短期仕事体験」取材レポート【第3号】

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「しまね短期仕事体験」実施期間中に、ジョブカフェしまねスタッフが受入事業所へ訪問させていただき、参加学生・事業所のご担当者様からお話を聞き、取材レポートとして掲載しています。

取材事業所

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日程:9月4日(月)~9月8日(金)
   ※5日間
実施方法:対面
実習施設:カラフルデイサービスセンター
参加学生:1名
     ※島根県立大学(松江キャンパス) 2年生
      


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1日目オリエンテーション、講義(企業概要等の説明)、利用者との交流
2日目講義(認知症について)、利用者との交流
3日目講義(福祉道具・車両について)、利用者との交流
4日目講義(栄養について)、利用者との交流
5日目講義(看護について)、利用者との交流



参加学生の声②.png 「福祉はみんなを幸せにする」という話を初日に聞いてから現場に入りましたが、実際に、皆さんが楽しそうで、福祉は確かにみんなを幸せにすると漠然としていましたが、お互いに思い合っている素敵な職場でした。将来は地元の隠岐(西郷)に戻ろうと考えています。高齢の方が多いので、お年寄りに関わる仕事を体験しておきたいという気持ちがあり、豊心会での仕事体験を希望しました。おばあちゃんのちょっとした変化を敏感に分かるようになりたいという思いもあります。
利用者さんと話すのは戸惑うこともありましたが、利用者さんから話しかけてくださることも多く、溶け込むことができました。職員の方は利用者さんがレクリエーションをしている間も常に利用者さんに気を配り、声をかけたり、寄り添っておられたのが印象に残りました。
介護の仕事は元々良いイメージでしたが、短期仕事体験をしたことで、更に良いイメージになりました。学生が私1人で初めは不安でしたが、皆さんが温かく迎えて下さり、居心地の良い環境でした。


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豊心会(青山さん).png 5日間のプログラムでは、午前中に講義(理念、認知症、福祉用具・車両、栄養、看護)、午後に利用者さんとの交流を組むようにしました。学生さんが介護への知識・経験がないので、講義は分かりやすい資料作成を心がけ、それぞれの専門分野の職員が行うことで、いろいろな職員と話せるように工夫しました。
また、利用者さんとたくさんコミュニケーションを取ってもらい、福祉現場の概要を掴んでもらえるようにしました。
参加学生さんが利用者さんと笑顔で話している姿が印象的でした。利用者さんの中には、学生さんに声をかけてもらい、孫娘と交流するかのように楽しんでおられる方もいます。
参加学生さんは介護の知識がない状態での体験だったため、今回のプログラムでは基本的な内容を勉強でき、良い体験ができたように思います。
今後は、5日間の受入でなくとも、見学や職員と話すだけでも良いので、少しでも興味・関心を持ってくれる方を増やしていけるように対応したいと思っています。今回は事前にプログラムを組んで、それに基づいて仕事体験してもらいましたが、例えば初日に受け入れ学生としっかり面談をして、やりたいことが分かれば、それを踏まえてプログラムを組むこともできます。


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 【取材スタッフから】
学生さんが隠岐の島出身ということで、最終日のレクリエーションは他職員の方2名と隠岐の島の伝統踊り「キンニャモンニャ踊り」と「しげさ踊り」を利用者さんの前で披露。利用者さんは手拍子され、楽しそうに見ておられました。ビンゴ大会では、「ビンゴ2人、出ました~!」など、利用者さんのビンゴを代わりに会場にアピールしたり、ビンゴの景品を利用者さんに渡すなど活躍していました。お年寄り思いの振る舞いと、それを見守る職員の方や利用者さんの優しいまなざしが温かい福祉現場・実習風景でした。


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日程:9月6日(水)~9月12日(火)
   ※土日休み ※5日間
実施方法:対面

参加学生:2名
     ※広島国際大学 3年生
      島根県立大学(松江キャンパス) 2年生
      


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1日目オリエンテーション(会社説明、スケジュール・目的確認、安全教育等)、木工製品(家具・建具等)の製作、ネットショップ用の商品開発
2日目木工製品(家具・建具等)の製作、ネットショップ用の製品開発
3日目木工製品(家具・建具等)の製作、ネットショップ用の製品開発
4日目木工製品(家具・建具等)の製作、ネットショップ用の製品開発
5日目木工製品(家具・建具等)の製作、ネットショップ用の製品開発



広島国際大学.png 就活前にいろんな業界を知りたいと思いました。文系なので設計図を見るのも初めてでした。まずは図面を読み解くところから始まります。社員さんにサポートしてもらいながら少しづつ分かるようになって楽しいです。
初日のオリエンテーションで社長さんのお話を聞きました。そこでは会社の良い所ばかりではなく、自社の課題や内面的なところも学生の私たちに話してくれたことがとても印象に残りました。だだ家具を作って売るだけではなく、買っていただいたお客さまの安否確認も兼ねてアフターサービスに行く「見守りネットワーク」を展開されており、そのような地域に根差した取組みが評価されて「第13回日本でいちばん大切にしたい会社」を受賞されていてすごいなと思いました。


参加学生の声②.png 接客のアルバイトをしていますが、モノづくりに興味があったので、この事業所を選びました。ここでの学びはなんといっても0.5mmのズレも許せない厳しい世界です。毎日頭を使い過ぎて、実習から帰ったら爆睡しています。作品を楽しく作るだけではなく、神経を使い、丁寧・正確さが求められることを学びました。
はじめは、作品づくりで「少しずれても自分のものだからいいだろう」と甘い自分がいましたが、職人歴30年の方でも毎回設計図を読解するところから時間をかけている話を聞いて反省しました。身体と頭をフル回転させる毎日は疲れるけど案外自分に合っていると感じました。もっと体験をしたかったです。


金見工務店③.png    金見工務店④.png

金見工務店.png家具木工部配属社員3名で学生2名の受入を行っています。
実際にモノづくりを体験(金見工務店側が指定したモノ、学生さんが自分で考えたモノ)してもらいます。現場、社員が学生さんについて、適宜指示をし学生が作業を行うといった流れでしています。作業が一区切りつく度にチェック、アドバイスを行います。
これまで高校生、社会人の仕事体験の受入(2~3日)は行っていましたが、大学生(ジョブカフェしまね事業)の受入は初めてだったので、その経験に倣ってプログラムを作成しました。
今回の参加学生さんたちは、初日から学生同士でコミュニケーションが取れており、明るい雰囲気で作業をしていました。2人とも積極的に作業をしており、分からないところは自ら質問して、完成に向けて真面目に取り組んでくれています。


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 【取材スタッフから】
工房に着いた時、二人の学生さんは、作品作りに夢中でした。何を作っているのか聞いたところ「おばあちゃんが軽トラに乗る時大変そうだったのでその踏み台です」「アクセサリー集めが好きなのでそれを収納する見せるアクセサリーボックスです」と答えてくれました。明日、最終日は「基礎検定」みたいな課題があります。二人からは「難しいけど楽しい」「もう少しやりたい 明日で終わるのが寂しい」などの声が聞かれ、今回の体験が充実していることが伝わってきました。学生を指導してくださったのは若い3人の家具職人さん達です。皆さん、ずっと前から一緒だったかのように学生さんも溶け込んでいました。

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実習内容.png
日程:9月11日(月)~9月15日(金)、9月24日(日)
   ※6日間
実施方法:対面

参加学生:1名
     ※島根大学 3年生



プログラム内容.png

1日目オリエンテーション(企業理念、事業概要の説明・仕事体験の目的の共有など)、
生産・製造現場の見学
2日目マーケティング(期間中に取り組む業務テーマと目標、やるべきことを決める)
3日目2日目に決めた内容を元に、実務を行う
例)販売先への訪問、お客様へのヒアリング、写真撮影など
4日目2日目に決めた内容を元に、実務を行う
例)POP文言の検討、デザインの検討、ラフ案の作成など
5日目実務の最終確定と5日目の振り返り
6日目出雲で開かれるマーケットに出店し、お客様への直接販売を体験



学生の声(島大).png 元々農業とか、生産とか、そういったことが学びたくて仕事体験に参加しました。オーガニックとか、そういった考え方も好きなので、山田屋は自分に凄く合っているように感じました。
自分に合わせて実習内容を考えてくださっているので、「自分自身がどうなりたいか」を知るきっかけや、将来についてどうやって決めたらいいのかを考えるキーワードをもらえています。
毎日が刺激的で新しいことばかりです!考えて声に出す、というワーク(受入担当の方とのキャッチボール)がたくさんあって、今まで自信がなかったけど、自分にもいろいろな意見やアイデアがあるんだなという新しい発見もありました。山田屋さんの理念を聞けたことも、凄く学びになりました。
少しでもいいと思ったら、「やってみよう!」という気持ちで参加すると、案外いいと思いますよ!



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山田屋.png 初めての受入れで、まっさらな状態で、手探りでした。「自分たちのところにどうやったら就職できるか」「我が社の社員としてのスキルを伸ばす」のではなく、参加学生の今後に活かせるような「職業選択の仕方」であったり「ものごとの捉え方」「自身の好きなこと、進みたい方向はどこなのか」などができるようになってほしいと思っています。いろんな意見、考えに触れられるような機会を作ってあげたいですね。
ある程度プログラム考えていましたが、その人に合わせたプログラムにしたいと思っているため、初日はまずヒアリングを行いました。
これまで自分たちだけでやっていた事業に対し、考え方などが凝り固まっていたところもありましたが、新しいアイデアを出して改善してくれるなど、こちらが凄く勉強になっています。普段なかなか学生の声を聞く機会がないので、こうして学生のリアルな意見を聞けたことが良かったです。社員全員参加学生から刺激をもらっています。良い意見、考えを持っている学生なので、自信を持って声に出していけるようになると良いなと思っています。


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事務所がある場所は不便だし、農作業がある時なんかは肉体的にも大変です。それでも、本気で向き合ってくれる学生がいれば、ぜひご参加お待ちしています!ひとりでも多くの方に、出雲SPICE LAB!っていいな!ファンになってもらいたいな!と思っています。それぞれに合ったプログラムで、「知らないことが知ってるに変わる!」体験をしてもらいたいです。学生のうちにこういう体験を増やしてほしいですね!(山田さん)

 【取材スタッフから】
 学生と事業所の方の雰囲気がとてもよく、お互いを常時褒めあっているのが印象的でした。「学生の今後のために」「そんな事業所さんの思いに少しでも応えるために」という気持ちが、今回の取材中にも垣間見えて、ジョブカフェとしては凄く嬉しくなりました。