「2023夏期しまね短期仕事体験」取材レポート【第2号】

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「しまね短期仕事体験」実施期間中に、ジョブカフェしまねスタッフが受入事業所へ訪問させていただき、参加学生・事業所のご担当者様からお話を聞き、取材レポートとして掲載しています。

取材事業所

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日程:8月21日(月)~8月25日(金)
   ※5日間
実施方法:対面
参加学生:1名
     ※松江工業高等専門学校 4年生
      


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1日目会社概要説明、工場見学、ビジネスマナー、PC組立体験(概要説明、トレーニング、ライン組立体験)
2日目PC組立体験(ライン組立体験)、改善実践教育
3日目PC解体、再組立体験
4日目ITシステム体験
5日目試験プログラミング体験、若手社員とランチミーティング&QA、実習振り返り・まとめ



松江高専.png 島根富士通を選んだ理由は、ネームバリューもありますが、学校の電子制御学科で学んでいることを振り返ってみたいと思い参加を希望しました。また、学校OBの方から島根で働く魅力などを聞きたいとも思っていました。実際お二人の先輩社員さんとの交流会では、社会人としての心構えや学生のうちにやっておくべきことなどを話してくれたことがとても参考になりました。
3日目には製造で使用する自動機を自社開発している事を知り、パソコンの製造以外に設備も手掛けていることに感動しました。
将来エンジニアとして働きたいと考えているので、今回の実習で多くのことが学べてよかったです。
今はまだ、進学するか就職するか迷っていますが、就職するとなれば県内が良いので、今回の実習を通して県内で働くことについてイメージがつきました。



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島根富士通(今岡さん).png 実習では、会社の良いところばかりでなく、大変なところも知ってもらうよう心掛けています。当社は、単にパソコンを製造しているだけの会社ではなく、自動機の設計開発やITシステム開発などいろいろな部署がある事を知ってもらいたいです。
仕事体験で工夫した点は、毎日担当する社員を変えて多くの社員と接する場を設けました。
学生と接することで若手社員も新たな気づきを得られる場にもなっています。


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 【取材スタッフから】
実習最終日の先輩社員さんとの交流の場を取材しました。
先輩社員さんと学生さんの年齢が近いこともあり、学生さんもリラックスした様子で入社のきっかけやワークライフバランスについてなどざっくばらんに話をされている印象でした。学生さんが緊張しないような雰囲気作りという点でも受入側の工夫を感じました。
また、今回の実習ではより多くの社員さんと関わることができるように日ごとに担当される方を変えていたということで学生さんにとっても得るものが多かったと思います。取材中も学生さん自身が社員さんと積極的にコミュニケーションをとる姿があり、彼の自ら学ぶ姿勢は今後も更に磨いていってほしいです。


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日程:8月29日(月)~9月1日(金)
   ※5日間
実施方法:対面


参加学生:5名
     ※島根デザイン専門学校 1年生
      出雲コアカレッジ 1年生
      広島コンピュータ専門学校 1年生
      福山大学 3年生(2人)


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1日目会社説明、オリエンテーション・ワークショップ・アジャイル開発説明・環境開発インプット
2日目制作物概要説明、開発
3日目レビュー・チーム振り返り・プランニング・開発
4日目レビュー・チーム振り返り・プランニング・開発、成果発表資料作成
5日目まとめ・発表・振り返り、社員交流会



参加学生(島根デザイン、出雲コア).png ①専門学校で初めてITやデザインの世界に触れていて、考え方や知識をつけるのに苦労していたときに、短期仕事体験を知り、実際に体験した方が身につくのではと思い参加をしました。実習はすごく楽しいです。知識もがっつり入るし成長できると思っています。また、わからないところは社員の方に聞けるので、安心して取り組めています。
②兄がイーグリッドで働いていて、楽しいと聞いていたため、気になって参加しました。実習内容はすごく難しいけど(すべて理解はできていない)、作っているプログラムが業務に使われる可能性があると聞いて、やりがいがあるし、勉強をもっと頑張ろうと思いました。オフィスがすごくおしゃれ。社員の方も親切に教えてくれて、担当の方以外も声をかけてくれるので安心して実習ができています。最初は何をやっているかわからなかったけど、今は勉強していることが役に立っていると実感しています。


参加学生(広島コンピュータ、福山大学).png ③IT業界や仕事内容を知りたいと思い参加しました。学校ではWEBデザインを学んでおり、プログラミングは全くやったことがないためわからないことだらけです。プログラミングは難しいし、日に日に難易度が高くなっていますが、みんなに助けてもらいながらなんとかできています。
④SEを目指しており、IT企業にいきたいと思っていたときに、紹介されて参加しました。実習は、コードを分担して作業をしていて、最終的に1つにまとめて完成させることになっています。学校でもプログラミングをやっていますが、勉強をしていることが活かせています。会社の雰囲気は、堅苦しいイメージだったけど、平均年齢も若く、和気あいあいとしており、質問もしやすいです。エンジニアになるのは敷居が高いと思っていたけど、研修制度が充実しているから不安にならなくても大丈夫と言われ、安心しました。
⑤IT、WEBデザインを学校で学んでおり、助成金も出るし、面白そうだと思って参加を決めました。実習は、学校で勉強しているプログラミング言語とは違う言語を使っていますが、根本的なものは似ているため理解はできています。勉強していることが活かせているけど、作業は思っていた以上に難しいです。
会社の雰囲気は、怖いイメージでしたが、若い人が多く明るい雰囲気で、質問もしやすいです。


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イーグリッド(勝田さん).png アジャイル開発*¹を通して、チームでひとつのものを作りあげる楽しさ、チームワークの重要性を知ってほしいと思っています。エンジニア志望の方はひとりで開発する方が早い・簡単と思う人も多いですが、チームで意見を出し合うことやサポートし合うことの重要性を理解しより精度の高い開発を行うことを狙いとしています。学生さんが行き詰まった際に、気軽に相談できるように周りにスタッフがいるなかで実習してもらっていて、担当以外の多くのスタッフと接点をもてるようにしました。
アジャイル開発とは…
ソフトウェアやプロジェクトの開発方法論の一つで、柔軟性と進化性を重視。
開発前に課題などを全て洗い出し一括で開発するのではなく、開発過程で小さなステップを繰り返し、途中で改善を加えながら進めていく開発方法。


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 【取材スタッフから】
学生同士、2日目とは思えないくらいに仲良くなっていました。担当者の勝田さんも入社2年目(24歳)と若く、学生も質問しやすい雰囲気を作ってくれていました。
5人の学生1人ずつに話を聞きましたが、全員が、「楽しい!」と言っていたのが印象的で、取材中も笑顔で実習に取り組んている様子が見られました。参加学生の中で1人、プログラミング未経験の学生がいたことにより、その学生のフォローをしつつ、全員で協力して作業をしていく(モブプログラミング)というやり方で進めていっているため、学生同士助け合うことで仲良くなり、いい関係が構築できているようでした。

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実習内容.png
日程:9月4日(月)~9月8日(金)
   ※5日間
実施方法:対面


参加学生:7名
     ※島根大学 3年生(3人)
      島根県立大学(浜田キャンパス) 3年生(2人)
      東京女子大学 3年生
      関西学院大学 3年生


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1日目オリエンテーション、会社概要、業務説明、論説委員会による講義
編集フロア見学、編成局(整理部等)の業務見学 等
2日目外勤記者の業務体験(写真撮影含めて取材体験、原稿執筆)
3日目原稿の講評、デジタル版の業務体験
(WEBサイトやSNSへの配信作業体験)
4日目デジタル業務の体験の続き、販売戦略の立案
5日目社員とのディスカッション、振り返り、レポート作成



関学・島大.png ①山陰中央新報社で働かれている人が新聞をどういう思いで作っているのかを知りたいと思い参加しました。新聞を作る裏側をこの体験で会話をしながら学んでいきたいと思っています。オフィスは、最近リニューアルされていて、とてもきれいでした!カラフルなソファなどが置いてあり、現代的な雰囲気のオフィスで、椅子や机も一列に並べるのではなく、斜めや円に配置されており、コミュニケーションがとりやすい配置になっていてすごく良いと思いました。
実習中に、ニュースが急に入ってきたことがあり、その時は社内の雰囲気が一気に変わり緊張感が走りました。その場にいたからわかる緊張感をリアルに感じることができました。
②言葉や情報を伝えるという面から山陰に住む人々の生活を支える仕事に魅力を感じ参加しました。今回の体験では、紙面だけじゃ分からない思いや裏側を知ることができたしいろんな発見がありました。自分たちが知らない工程もたくさんあり驚きました。


東京女子大学.png③私は、地域密着型の仕事に就きたいと考えています。地方紙は中央紙にはない魅力がたくさんあると思っており、今回体験させていただく中で、地方紙ならではの魅力をより多く見つけることができればと思っています。
山陰中央新報社は新聞だけのイメージでしたが、イベントの企画や運営など、予想以上にたくさんのことをされていたのでビックリしました。ただ共通しているのがどの活動も地域を元気づけているという発見がありました。


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中央新報社.png 自分自身は初めて短期仕事体験で学生と交流する機会をもらいました。人事総務部からは、学生に「楽しい」と思ってもらえるようにと言われています。インターンシップの取材先は展示会等で行うことが多いのですが、今回は「若者の献血者を増やす」という課題を持つ「献血ルームだんだん」を取材・撮影先に選定しました。若者世代として問題意識や伝える使命感を持ってもらうこともサブテーマとしてあります。今回の取材の記事は自分が原稿を仕上げ、翌日の朝刊に掲載されます。学生にも同じように原稿を書いてもらい、翌日のプログラムの1つである「原稿の講評」でフィードバックを行います。
将来、記者になりたいと思っているのなら、社会のいろいろなことに興味を持ち、「知らない、分からない」を深堀してほしいと思います。短期仕事体験の受け入れ事業所が多くある中、山陰中央新報社に来てもらえて嬉しいです。今回の学生は島根県出身の方ばかりで、うちの会社でなかったとしても島根県に戻ってくれたらと思います。


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 【取材スタッフから】
手のひらサイズのメモ帳にしきりに話を書き取っている学生さんの様子が印象的でした。古瀬さんがひとしきり血液センターの方に話を聞かれた後、学生さんから「ひとつ伺ってもいいですか」と社会人のような声かけと堂々とした質問内容と態度は頼もしく、誠実で真面目な人柄が伝わりました。短い時間の中でこの取材時間を充実したものにするために、事前に考えて準備をされたのだと思います。また、若手記者の古瀬さんに付いての取材は、学生さんもコミュニケーションが取りやすく、山陰中央新報社さんが目指された「楽しい仕事体験」に繋がったのではないかと思いました。




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実習内容.png
日程:9月4日(月)~9月8日(金)
   ※5日間
実施方法:対面


参加学生:5名
     ※岡山商科大学 3年生
      島根県立大学(松江キャンパス) 2年生(2人)
      島根県立大学短期大学部 1年生(2人)
     


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1日目会社説明・商品部の仕事紹介、寿司商品の企画立案
2日目日配商談立ち合い
3日目ドライグロサリー商談立ち合い
4日目農産市場見学、精肉商品開発の体験
5日目水産市場見学、寿司商品作成・販売



短大①.png 裏で働いている人はどんなことをしているのか気になり、今回参加をしました。想像以上にスーパーにはいろんな役割を担う人がいてびっくりしました。レジや品出しをする人とは違い、あまり人の目につかない仕事をしている方たちがいるからこそスーパーは成り立っていると実感しました。今まではスーパーの価格を見て高いと思っていたものも裏の努力を知ると安いと感じるようになりました。


短大②.png 今までは消費者目線でしかわからなかったけど、この体験を通して両者の目線を知ることができました。これは短期仕事体験に参加しなければ一生わからなかったことだと思います。どの部門の人もお客さんがどう思うかを第一に考えて行動や決定をされていました。
スーパーで販売しているものはどこかで注文をしてお店に届いているとは思っていましたが、自分の想像と違って、例えば鮮魚であれば、朝早くから水産市場に行き魚をセリ落としたり、他の食材でも営業の方がお店に来て新商品の商談をバイヤーさんとしているということがわかりました。
また、どの担当の方からもとても優しく教えていただきました。今回の実習で、スーパーの業務のほぼすべてを体験させていただけて、とてもありがたかったです。


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事業所の声(みしまや).png初日に「巻きずし」製造を体験してもらい、その難しさを感じた後、市場に行ってもらうなど仕入れ体験をし、巻き寿司の具を考えてもらうことで、単純作業ではなく、自分で考え、仕事に取り組むプログラム内容にしました。今回は低学年の学生だったので、まだ小売業に就職するイメージがなく、他の仕事を知りたいという要望もあり、小売業としての体験だけでなく、メーカーや卸売業者との交流もしてもらい、幅広く「流通」に係る仕事について知ってもらうように工夫しました。
社長が会社全体で就業体験に協力することを掲げているため、各店舗の協力を得ながら、体験プログラムを企画できたので良かったです。また、学生の発想が新鮮で社内でも良い刺激になっています。
参加学生と同大学の卒業生が実習店舗にいたので、先輩の話を聞いてもらう時間を作り、就職活動等の話もさせてもらいました。



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 【取材スタッフから】
1日目に寿司(海苔巻き)の企画立案をして最終日に実際に作成し販売するというプログラムでした。(2.3.4日目は別の見学)
最初に作った際は、形もいびつで海苔巻きを置く向き(キレイに見えるよう)もわからなかったそうですが、最終日には教えてもらったことが頭に入っており実践できていました。実際に海苔巻きを切ってみると、形を崩さずに切ることがとても難しいと分かり、担当の方がお手本で切ってくださると拍手がおこっていました。
今回、みしまやさんでは、商品の企画や市場見学、企画した商品の作成など、本当に様々な体験をさせてもらうことができたと思います。学生がこの短期間・短時間で、これだけのことを体験できたのは担当者の方々のおかげだと思います。今回の体験は新たな発見にも繋がったと思いますし、今後の就職活動でも必ず役に立つと思います。まだどんな職種・業種に就こうか悩んでいる人は、一度体験してみると良いと思います。


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日程:8月28日(月)~9月1日(金)
   ※5日間
実施方法:ハイブリッド(対面+オンライン)


参加学生:2名
     ※島根大学 3年生
      島根県立大学(松江キャンパス) 2年生
      
     


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1日目会社説明会、商品紹介、社内見学、他事業所社員とのオンライン交流会
2日目
(オンライン)
SDGs勉強会、ワークショップ、自己分析のためのSPI
3日目営業職、CE職体験(実際にお客様先へ訪問)
4日目営業職、CE職体験(実際にお客様先へ訪問)
5日目リコー製品を使った作品作り、振り返り



島根大学.png 公務への志望があるが、営業も経験してみたいと思い、その中でも様々なプログラムが盛り込まれているリコーさんで体験をしたいと思い希望しました。営業のイメージとして飛び込みのようなイメージがありましたが、リコーさんではアフターフォローのかたちで回っていくため、営業と言っても無理のないかんじでイメージが変わりました。また営業同行によって他社に入り、そこでその事業所の職場雰囲気なども見ることができました。目標としては営業の仕事を知ることだったのである程度達成できたかなと思っています。


参加学生の声②.png まだ将来については漠然としており、県内県外も決めていない状態です。県外のインターンも参加し、今回、県内企業として参加しました。リコージャパンさんは、全国展開しており、大阪などで働くこともでき、また島根に戻ることもできるという環境はいいなと思いました。福利厚生などもしっかりされている点も魅力に感じました。営業に同行するなかで、突然予定変更が入ってくることなどもあり、同時にいくつかのことを進める必要もあると感じました。自分はひとつづつ終わらせるタイプなので、同時にいくつかのタスクをこなしていく事が今後の課題だと思ったので、スケジュール管理力をこれから鍛えたいです。


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リコー(佐藤さん).pngリコーは学生には認知度が高くないので、できるだけ多くの学生と接点を持てるよう、短期仕事体験やインターンシップの受け入れをしています。実習の内容は、会社説明だけでなく、オンラインでワークショップをしたり、他事務所の職員とオンラインで意見交換したり、営業職、CE職の会社訪問に同行したり、リコーが力を入れているSDGsの勉強をしたりと、色々なことを体験できる内容にしています。社内の職員も受け入れに協力的で、学生が多くの職員と接点を持てるよう心がけています。
また、自己分析に活用してもらうためSPI試験を受けてもらったり、リコーのやり方ではありますが、ビジネスマナーや身だしなみについても説明しています。
最終日には、リコー製品でプリントアウトして思い出に残る作品作り(自分で考えたSDGsのキャッチコピーをクリアファイルに印刷、自分の撮った写真をトートバッグに印刷)もしてもらっています。



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 【取材スタッフから】
今年、大阪から支店長が来られ、オフィスの大改革が行われていました。トイレや共有スペースなども他県のリコー事務所を参考にリノベーションを計画中。今後1F部分にはレンタルブースを設置し、地域に開かれたオフィスに変わっていくとのことでした。またSDGsに力を入れておられ、電気自動車の導入や、カーポートに太陽光パネルを設置するなど、ハード面も環境対応をかなり意識して取り組んでいかれるそうです。20年以上変わらなかった松江支社が今新しく生まれ変わろうとしていることなど、お話を聞けました。リコーさんのプリンターのすごさや、新素材である石灰石で作られた紙など、いろいろと面白いものを見せてもらえました。
また、短期仕事体験やインターンシップでの学生の受入について、すごく熱心に取り組んでおられる印象を受けました。今でも社内の他の職員にも協力を得ながら色々な体験ができるプログラムを組んでおられる上に、より良いものにするにはどうすれば良いかも考えておられて、すごく意欲的だと感じました。